樹脂成形とは?どんな種類があるのか?

樹脂(プラスチック)成形

初めましてこんにちは、ライターのたなかです。普段はとある製造メーカーにて設計業務に従事しており、副業ではWebライターとして活動しております。普段の業務では金属製品や電子部品を取り扱うことが多い私ですが、まれに樹脂製品を取り扱うことも。しかし、樹脂製品の知見があまり無いということもあり、「勉強も兼ねて樹脂成形に関する記事を作成してみよう」と思い立ちました。今回は樹脂成形の種類について代表的なものをご紹介します。

樹脂成形とはそもそも何か?

一般的に考えられている樹脂成形とは、プラスチックを加熱して溶かした後、金型に入れて冷やし固める作業のこと。樹脂成形の方法にはたくさんの種類がありますが、使用する材料や完成品の使用用途によって、最適な成形方法を選択することが重要です。

樹脂成形で使用する樹脂

樹脂成形で使用する樹脂は、「熱可塑性樹脂」と「熱硬化性樹脂」の2つに分類ができます。

熱可塑性樹脂

高温になるとチョコレートのように溶け出して、冷えると硬化する樹脂を熱可塑性樹脂といいます。以下は熱可塑性樹脂の一例です。
・ABS樹脂
・ポリエチレン
・ポリスチレン

熱硬化性樹脂

熱可塑性樹脂とは逆の性質を持つのが熱硬化性樹脂です。冷えた状態ではクッキーのように樹脂が柔らかいままですが、加熱することで硬化する特性を持っています。以下は熱硬化性樹脂の一例です。
・フェノール樹脂
・エポキシ樹脂
・シリコン樹脂

樹脂成形の種類

樹脂成形の方法には非常に多くの種類が存在しますが、本記事ではその一部をご紹介。

スクリュを使用して樹脂成形をする方法

(1)射出成形
射出成形は、樹脂成形の中で最もポピュラーな成形方法で知られています。熱で溶かした樹脂を金型内に入れ、圧入・冷却させて固める方法です。

・一度で複数個の成形品の製作が可能
・複雑な形状が成形可能

以上の性質から、射出成形は大量生産に向いている成形方法だといえるでしょう。私たちの身の回りにある日用品から自動車部品まで、幅広い分野で射出成形が採用されています。

(2)押出成形
押出成形とは、熱で溶かした樹脂をところてんのように押し出して成形する方法です。他の成形方法とは異なり、金型内で冷却させることはありません。押出口の形状によって、樹脂の形が決まりますがこの部分を「ダイ」と呼びます。押出成形では高い圧力を掛けて樹脂を成形するため、全ての部分が均一に成形されるわけではありません。あらかじめ変形することを考慮して、ダイの形を設計する必要があります。

(3)ブロー成形
ブロー成形とは溶かした樹脂の内側から空気を吹き込み、膨らませて成形する方法です。中空成形ともよばれています。ペットボトルのような、中身が空洞になっている容器を作成するには最適な成形方法といえるでしょう。

スクリュを使用しないで樹脂成形をする方法

(1)真空注型
真空注型は、真空状態でシリコンやプラスチックの型に樹脂を流し固める方法。樹脂は二液硬化性樹脂を採用することが多いです。これは、主剤と硬化剤を混ぜ合わせることにより化学反応が発生し、樹脂が硬化する性質を持っています。

この2種類の液体を混ぜ合わせる時に気泡が入らないように、真空状態で注型が行われます。金型を使用する成形方法よりもコストを抑えられますが、樹脂の硬化までに時間が掛かるので注意が必要です。

(2)圧縮成形
圧縮成形とは、熱硬化性樹脂を使った古くからある樹脂成形方法です。樹脂を金型に流し込んだ後、高温になった金型が圧力をかけて樹脂を硬化させます。金型の構造が比較的単純であることから、コストを抑えて金型製作が可能。ただし、成形の過程でガスが発生するため、成形品にバリが付着しやすくなる傾向にあります。

おわりに

今回は樹脂成形の種類についてざっくりと解説を行いました。成形方法は非常に多くの種類があり、それぞれの製品用途によって使い分ける必要があります。次回は、今回ご紹介した成形方法についてもっと掘り下げて解説していく予定です。少しでもためになったら嬉しいです。

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